GB (文法箱) について
GB (Grammatical Box(es)/文法箱) とは、文法的な各部分を、「箱」に置き換えたものであり、VP (動詞型) やAG (代替文法) (やKR (漢字ルビ)) の内容を踏まえてもらった上で、それらの内容を最終的に「ひと続きの流れ」として、直感的に整理しつなげる役割を果たす手法です。
これを頭の片隅に入れておいてもらえば、Englishの読み/書き/聞き/話しを、はるかに円滑に行ってもらえるようになるでしょう。
(なお、こうした手法は、Englishに限らず、日本語を含む他の言語においても応用可能ですし、有用です。)
box (箱) の種類は、大まかには、以下のように2種類に分類できます。
もっと細分化することもできますが、実用性/直感性を考慮した場合、これぐらいで十分でしょう。
そして着目点は、前者のL (大) のbox (箱)、すなわちClause (節) における、★つなぎ言葉と◾️P (述部) の位置関係です。
- L (大) --- Clause (節) (S (主部) + ◾️P (述部)) 水準。
- ① M (主節)
- ② S (従属節) --- if/because/though/as/while/whenなどの「★C (接続詞(的副詞))」に続く。
- ③ I (内節) --- 上2種の節の中に組み込まれる。
- ★T (that節)/I (疑問詞節)/R (関係詞節)*1 --- 上2種の節の中で、下位要素 (M (中)/S (小)) と同等の働きをする。
- (★R (関係詞節)*2 --- 基本的に上2つ (の中の下位要素 (M (中)/S (小)) ) の中に組み込まれるので、「箱」ではなく「括弧書き( )」扱いが望ましい。)
- ★◾️ I (不定詞)/P (分詞) --- ★つなぎ言葉と◾️P (述部) の性格を兼備し、上記の節からS (主部) を省いたような簡略的/擬似的な句を形成する。
(*1 what節など、被修飾名詞を飲み込んだ形の完結的な関係詞節の場合。)
(*2 who/which/that/whereなど、被修飾名詞が外側 (直前) にはみ出している形の関係詞節。)
- M (中)/S (小) --- Phrase (句/部)/Word (詞/語) 水準。不定詞句/動名詞句/前置詞句含む*3。
- ① S (主部)
- ② ◾️ P (述部) --- 過去形/否定語(not/never)付属を担う「助動詞 (au)/補述詞 (s)」がある場合、「専用の仕切り/space」が箱の前方に設けられる。疑問形では、その「最前部分」が分離して主語(主部)の前に行く。(また、述語動詞の直前に「程度/頻度の副詞」が入り込むこともある。)
同様に、up/down/outなどの後方の「動詞句要素(副詞)」が目的語の後ろに回り込むこともある。 - ③ R (その他) --- 実践上は細かな区別をいちいち意識する必要は無い。「S (主部)/P (述部) 以外のもの」として、大まかに位置関係と役割が分かっていればいい。(※ O (目的語) 以外は、「括弧書き( )」にして、被修飾(的)語の「箱」中に入れてしまって構わない。)
- 前方
- (★ C (接続語) --- 接続詞類。)
- (A (付加語) --- 疑問詞、および節全体にかかる副詞。)
- 中央
- (A (付加語))
- (主語(主部)の直後に来る、評価の副詞。)
- (述語動詞の直前に来る、程度/頻度の副詞。)
- (A (付加語))
- 後方
- O (目的語)
- (C (補語))
- (A (付加語) --- 状態/時間などを表現する前置詞句/副詞など。)
- 前方
(*3 不定詞句/動名詞句/前置詞句は、ただの「名詞修飾」の場合もあるので、その場合には関係詞節 (*2) と同じく「括弧書き( )」扱いが望ましい。)
(※ なお、以下の図では、AEの内容も反映して、P (述部) をorangeの四角で囲っています。)
ちなみに、AG (代替文法) でも提示している、以下の画像のように、Englishの構造は、SP (主語-述語) を基礎として、そこに「後から色々と言葉を付け加えていく」という性格の構造をしている、ということを、併せて踏まえておいてもらうと、このGB (文法箱) をより効果的に活用してもらえるようになると思います。
- 【* 関係詞節/不定詞句/動名詞句に関するmemo】
- 名詞修飾形 (被修飾名詞「先行」) → 「括弧」扱い 【前置詞句も同様】
- 節修飾形 (被修飾語「無し」) → 「箱」扱い 【前置詞句も同様】
- 名詞形 (被修飾名詞「省略/包含」) → 「箱」扱い 【that節/疑問詞節も同様】 → 前置詞の目的語となり、前置詞句に吸収される場合あり。
したがって要するに、「先行する被修飾名詞」が直前に見当たらない場合、とりあえず「箱」扱いしておけば良い。
- 【★◾️についてのmemo】
- ① ◾️ P (述部)
- ② ★ C (接続詞) - T (that)/I (疑問詞)/R (関係詞) - I(不定詞)/P (分詞) --- Clause (節) やそれに準ずるPhrase (句) を導く「つなぎ言葉」。
- ❶ C (接続詞) と T (that)/I (疑問詞)/R (関係詞) は、★それ自体と後続節の◾️述語が、(別々に)ズレて出現
(ちなみに、日本語では、述語(述部) (の名詞+である,という/形容詞/動詞) が、そのまま後続する被修飾名詞へとつながる修飾語も兼ねるため、★と◾️が同時に出現する。) - ❷ I (不定詞)/P (分詞) は、★つなぎ言葉と◾️述語が、(一語に兼備されて)同時に出現
(つまり、I (不定詞)/P (分詞) は、「つなぎ言葉」になると同時に、目的語などを後続する「述語(述部)」としての機能も兼ね備えている。)- ただし、how to/what toのように、「★I (疑問詞) + ◾️I (不定詞)」という例外的な組み合わせもあるので、注意が必要。
- ❶ C (接続詞) と T (that)/I (疑問詞)/R (関係詞) は、★それ自体と後続節の◾️述語が、(別々に)ズレて出現
- という違いがあるのがpoint。
- 【最終的なまとめ】
以上の内容を踏まえてもらった上で、最終的に要点を端的にまとめると、
- 凵と( )、★と◾️、この4つの組み合わせで、瞬時に直感的に、Englishの構造把握ができるようになりましょう
ということです。
- ✳️ おまけ:「3分割法」(3部分法/Three-Part Method/TPM)
ついでに、上述したGB (文法箱) を補助する意味で、「English文の構造を大掴みに把握する手法」としての、
- 「3分割法」(3部分法/Three-Part Method/TPM)
についても、ここで述べておきたいと思います。
これはEnglish文を、
- 1. 文頭 (B) : (接続語 (C) + 副詞 (adv)/疑問詞 (i) (+ 助動詞 (av)*)) 主部 (S)
- 2. 文中 (M) : 述部 (P) (+ 目的語 (O)/補語 (C))
- 3. 文末 (E) : 後続するその他の前置詞句 (pp)/副詞 (adv)
といった具合に、大まかに3分割して構造把握する手法です。
(* 疑問文の場合、2の述部 (P) の一部である助動詞 (av) 類 が、1の主部 (S) の「前」に食い込む形になります。)
この3分割法 (TPM) は、GB (文法箱) よりも解像度は粗いですが、大掴みに構造把握するのに役立ちますし、Englishのような「語順が固定化されている言語」には、かなり有効です。
特に、1の「文頭」部分に対する意識/感度を高めることは、input (聴き/読み)/output (話し/書き) 両面で、Englishを扱う能力を、大幅に向上させることに繋がります。
というのも、Englishのような「語順が固定化されている言語」の場合、「文頭」部分で「その文の性格/構造」が概ね決定/方向づけられ、後は「芋づる式」に後続する語が連なる、という格好になるからです。
そこで、以下では1の「文頭」部分を構成する、頻繁に用いられる代表的な語彙/表現を、軽くまとめておきたいと思います。
- ◉ 接続語/接続表現 (C)
- And
- So
- That's why
- Then
- Therefore
-
- Since
- As
- Because
-
- But
- However
-
- When
- Before
- Prior to
- After
-
- Probably,
- I'd say,
- I think,
- I guess,
- Mostly likely,
- ◉ 副詞的接続詞 (adv-conj)/接続詞的副詞 (conj-adv)
- if
- because
- while
- ◉ 副詞 (adv)
- First (of all),
- First off,
- First up,
- To begin with,
- For starters,
- Second(ly),
- Subsequently,
- Finally,
-
- Obviously
- Actually
---
- There
- Here
- (i)s/was/(a)re/were
- v
- ◉ 疑問詞 (i) (+ 助動詞 (av) 類)
- How (〜)
- What (〜)
- When
- Where
- Who
- Why
- (i)s/was/(a)re/were
- do/does/did
- (ha)ve/(ha)s/(ha)d
- (wi)ll/(woul)d
- can/could
- should
- ◉ 助動詞 (av) 類 + 主語 (S)
- Is/Was/Are/Were
- Do/Does/Did
- Have/(ha)s/(ha)d
- Will/Would
- Can/Could
- Should
- I
- you (all/guys)
- he/she
- they
- this/these
- it
- that/those
- (the) ◯◯
- there
- ◉ 主語 (S) (+ 助動詞 (av) 類)
- I
- You (all/guys)
- He/She
- They
- This/These
- It
- That/Those
- (The) ◯◯
- (a)m/(i)s/was/(a)re/were
- do/does/did
- (ha)ve/(ha)s/(ha)d
- (wi)ll/(woul)d
- can/could
- should
- v